災害

2022.01.24(月)

トンガ火山噴火及び津波被害の災害対応支援

JAXAは、1月16日のセンチネルアジアからの要請を受けて、「だいち2号」(ALOS-2)によるトンガ王国のフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山噴火及び津波被害の緊急観測を行いました。観測したデータは、南洋理工大学(Nanyang Technological University – Earth Observatory of Singapore)及びアラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(Mohammed Bin Rashid Space Centre (MBRSC))が解析し、建物被害地図等の情報が提供されました。これらの情報は、アジア太平洋諸島の連携体である太平洋共同体(the Pacific Community (SPC))などの防災機関に提供され、被害状況の把握に活用されています。

「だいち2号」の観測データは、宇宙技術によるアジア太平洋地域の災害活動の支援を目的とした、宇宙機関・防災機関・国際機関により構成された国際的な協力枠組み「センチネルアジア」を通じて提供されました。

だいち2号による緊急観測対応
観測要請機関 アジア防災センター(Asian Disaster Reduction Center)
観測要請日 令和4年1月16日
観測モード 高分解能
観測日 令和4年1月17日:広域観測モード
令和4年1月21日:高分解能モード
令和4年1月22日:高分解能モード
データ提供日 令和4年1月18日、1月21日、1月22日
災害地図提供開始日 令和4年1月18日
(上記はすべて日本時間)
南洋理工大学(Nanyang Technological University-Earth Observatory of Singapore)より提供された災害地図。「だいち2号」及びSentinel-1の観測画像を解析することで、建物被害箇所を推定し、それを地図にマッピングしている(黄色及び赤色は被害を受けた可能性が高いことを示しており、赤色がより可能性が高いことを示している)。
アラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(Mohammed Bin Rashid Space Centre (MBRSC))より提供された災害地図。Sentinel-2の観測画像を解析することで、津波による住居への影響を推定している。ここでは、一般的な衛星画像とは異なる色の組み合わせの画像とすることで、災害前後の変化(今回は津波災害による影響)を判読しやすくしています。

センチネルアジアに提供された災害地図などの情報は、JAXAから国連食糧計画(WFP)や国際協力機構(JICA)にも提供され、太平洋島嶼国を管轄するWFPフィジー事務所や、トンガを含む周辺の太平洋諸国を兼轄するJICAフィジー事務所にも提供されています。

【関連リンク】

トンガ王国における火山噴火及び津波被害に対する緊急援助 ー 物資供与 -
センチネルアジア
今回紹介した観測結果の詳細は、次のセンチネルアジアのサイトでご覧いただけます。
Sentinel Asia: Volcano eruption in Tonga on 15 January, 2022

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