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2025.12.03(水)

【速報】2025年11月下旬に東南アジアで発生した記録的な豪雨に関する衛星降水データによる解析結果

2025年11月下旬にかけて、東南アジアでは記録的な豪雨が発生しました。タイ南部では300年ぶりの記録的な大雨になったという報告(※1)もあり、各地で洪水・土砂災害等の被害が発生しています。JAXAでは、衛星全球降水マップ(GSMaP)を通して宇宙から雨の状況を監視しています。今回は東南アジアにおける降雨状況を解析しました。

図1は、2025年11月19日0:00(UTC)から11月28日23:59(UTC)までにGSMaPで観測された降水の時間変化を示しています。長期間にわたって、東南アジアの各国で豪雨が発生していることが分かります。

図1. 衛星全球降水マップ(GSMaP)で観測された2025年11月19日から11月28日までの時間平均降水量[mm/h]。動画内の赤丸は台風を示している。

図2は、豪雨となった日の日平均降水量です。タイ南部で11月24日に200mm以上、インドネシアのスマトラ島北部では11月26日に200mm以上の雨を記録しました。GSMaPの過去25年間の平年値と比較すると、タイ南部やスマトラ島北部では、約20倍以上の降水が一日で降ったことになります。

図2. GSMaPによる日平均降水量[mm/day]。(左) 2025年11月24日。(右)2025年11月26日。

図3は、2025年11月19日から11月29日における豪雨指標の日変化を示しています。豪雨指標は、過去25年の同じ24時間の平均雨量と比較して、上位数パーセントの降水強度以上に相当する降水があった領域を示しています。タイ南部やマレーシア、またインドネシアのスマトラ島北部にかけて、上位1パーセントの降水強度に相当する濃いピンク色の領域があり、さらに数日間にわたって降り続けていたことが分かります。過去の統計と比べても稀な発生頻度の極端な大雨がこれらの地域で断続的に降り続けた結果、洪水や土砂災害が誘発されたと考えられます。

図3. 2025年11月19日から11月29日における豪雨指数の日変化(90, 95, 99パーセンタイル値)。

このように、GSMaPは、海上も含む世界中の豪雨を監視することができ、25年以上の長期間の蓄積された降水情報があります。データを利用する登録ユーザは世界 162カ国に広がっていますが、インドネシアやタイなど、アジア地域のユーザが約8割を占め、降水監視・洪水予測・干ばつ監視・農業等の様々な分野でGSMaPの利用が進んでいます。

関連サイト

JAXA 世界の雨分布ウェブサイト
JAXA 世界の雨分布統計ウェブサイト
JAXA GPMウェブサイト

参考

※1. BBC, ‘Once in 300 years’ rain hits Thai city as floods ravage South East Asia
https://www.bbc.com/news/articles/ckg97wx144jo

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