最新画像
2024.11.06(水)
【速報】衛星全球降水マップ(GSMaP)によるスペイン東部の豪雨
2024年10月29日にスペイン東部のバレンシア州で記録的な大雨が発生しました。バレンシア州西部の町では8時間で1年に相当する雨が降ったという報告(スペイン気象庁、AEMET)もあり、各地で浸水被害が発生しています。
JAXAでは、衛星全球降水マップ(GSMaP)を通して宇宙から雨の状況を監視しています。今回は、スペイン東部における降雨状況を解析しました。
図1は、2024年10月28日から29日にGSMaPで観測された降水の時間変化を示しています。宇宙からの降雨観測でも、29日未明からスペイン東部に強い降水が発生しているのを観測していました。
図2は、GSMaPで観測された降水量を、2024年10月28日0時(UTC)からの積算降水量として表示しています。スペイン東部の固定された地域に雨が降り続き、2024年10月29日18時には28日0時からの積算で500mmを超える雨が一部地域に多く降っていることが分かります。
図3左は、GSMaPの統計データから算出した2024年10月29日の日平均降水量です。一日で100ミリを超える雨がバレンシアの西側に広がっている様子が捉えられています。GSMaPの過去22年間のデータから算出した同地域における降水量の平年値は2.0mm/dayであり、100mm/dayを超える降雨が発生した今回の豪雨は、過去の例と比較しても相当な豪雨であったことが分かります。図3右に示す通り、過去22年間の統計値から算出した豪雨指数(注1)と比較しても、過去の統計と比べても稀な発生頻度の極端な大雨が降っていたことが分かります。
注1:豪雨指標とは、過去の22年間(2000年4月~2022年3月)における同じ期間の平均雨量と比較して、上位10%以上の降水強度に相当する降水があった領域を示しています。