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2018.10.25(木)
「しきさい」が捉えた紅葉の様子
昨年種子島宇宙センターより打ち上げられた「しきさい」は、順調に地球の観測を続けています。今回は、「しきさい」が捉えた秋深まる日本の紅葉・落葉の様子を紹介します。
「しきさい」は可視域において250m解像度のチャンネルを持ち、2日に1回程度の頻度で地表を観測します。前回紹介した森林域における展葉の様子に引き続き、紅葉・落葉の様子も宇宙から識別する事ができました。
*展葉:植物が芽吹きから葉が開いていく事
図1は、「しきさい」搭載の多波長光学放射計(SGLI)が2018年10月に観測したデータから作成した北海道から近畿地方にかけてRGB画像です。雲や積雪域は白く見えています。
図2は、9月19日と10月21日に観測したデータから作成した福島・宮城・山形県境付近のRGB画像です(図1の黄枠内)。森林の緑葉は緑色、紅葉・落葉後の森林は茶色に見えており、蔵王山から吾妻連峰にかけての山岳域では約1か月ほどの間に紅葉・落葉が進んでいる様子が分かります。図3は、同じように9月19日、10月13日、10月21日に観測したデータから作成した秋田県から岩手県にかけてのRGB画像です(図1の赤枠内)。八幡平、岩手山、駒ケ岳の周辺(赤丸内)や北上高地で紅葉・落葉が進んでいる様子が分かります。
「しきさい」は全球スケールで森林や陸域の様子を高頻度で観測します。図1の画像はSGLIで観測したデータに対して大気中の気体分子やエアロゾル粒子による光の散乱・吸収の効果を補正した地表面反射率データから作成した画像です。JAXAではこの大気補正済み地表面反射率データや、植生密度の高低を示す植生指数データなどを2018年12月に公開する予定です。
観測画像について
図1~3
観測衛星 | 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C) |
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観測センサ | 多波長光学放射計(SGLI) |
観測日時 | 2018年10月(図1) 2018年9月19日、2018年10月21日(図2) 2018年9月19日、2018年10月13日、2018年10月21日(図3) |