最新画像

2013.01.21(月)

流氷の季節到来2013

今年も北海道のオホーツク海沿岸に流氷がやってきました。

2013年1月12日のオホーツク海の海氷分布(AMSR2)
2013年1月12日のオホーツク海の海氷分布(MODIS)
2013年1月17日のオホーツク海の海氷分布(AMSR2)
2013年1月17日のオホーツク海の海氷分布(MODIS)
2013年1月12日のオホーツク海の海氷分布(AMSR2)
2013年1月12日のオホーツク海の海氷分布(MODIS)
2013年1月17日のオホーツク海の海氷分布(AMSR2)
2013年1月17日のオホーツク海の海氷分布(MODIS)

風向風速表示

風向風速非表示

図1 2013年1月12日と1月17日のオホーツク海の海氷分布

左図:AMSR2 右図:MODIS

 図1は「しずく」(左図)とMODIS(右図)が観測したオホーツク海の1月12日と1月17日の流氷の様子です。各日は、気象庁の網走地方気象台が発表した、今年の流氷初日(1月12日)と流氷接岸日(1月17日)です。「しずく」は、目には見えないマイクロ波帯の電波を捉え流氷を観測しています。

 図中赤色は、流氷で全て覆われている領域を示しており、青色になるに従い覆われている領域が小さくなります。また、白い部分は観測されていない領域です。MODISは、人間の目に見える波長の光を捉える光学センサであり、特に1月17日は、黄色に見える流氷が北海道沿岸に広がっている様子が分かります(MODISの図では、流氷を雲と区別しやすいように黄色く着色しています)。

 両画像は、衛星は異なりますが、ほぼ同じに時刻・領域の画像です。マイクロ波は雲を透過しやすいので、天候に左右されず、流氷分布の様子を毎日捉えることができますが、光学センサに比べると画像の細かさ(分解能)が劣ります。一方MODISは、人間の目に見える波長の光を捉える光学センサであり、1月12日の画像のように雲があると流氷を見ることが難しいのですが、1月17日のように晴れていると、細かい海氷の分布を見ることができます。それぞれのセンサの特徴を生かすことで、流氷の様子をより詳しく観察することができます。

オホーツク海の海氷面積変動(12月〜1月)
図2 オホーツク海の海氷面積変動(12月〜1月)

 図2は、衛星搭載型マイクロ波放射計で観測したオホーツク海の1980年代平均、1990年代平均、2000年代平均、昨年2011年冬季、そして2012年冬季の12月から1月の海氷変動を示しています。

 1980年代が最も広く、1990年代及び2000年代がほぼ同じ広さとなっています。今冬季のオホーツク海は、12月初旬海氷の広がりはこれまでより小さかったのですが、12月下旬から拡大し1990年代及び2000年代平均と同じ広さとなりました。その後流氷は、日々南下し平年より16日早い流氷接岸日となりました。

 この様子等は、オホーツク海全域や北海道沿岸に迫る細かい流氷分布の画像を毎日更新している「オホーツク海の海氷分布ページ」で御覧になることが出来ます。

 今シーズンから新たに、気象庁提供の気圧場及び風向・風速のデータを海氷分布上に表示することができ、海氷分布と風の比較ができるようになっています。 現在「しずく」は校正検証中です。「しずく」の画像中に大気の影響等により疑似海氷が表示される事があり、画像を御覧の際にはご注意ください。


観測画像について

(図1左)

観測衛星: 第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)
観測センサ: 高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)
観測日時: 2013年1月12日、2013年1月17日

(図1右)

観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 中分解能スペクトロメータ MODIS (NASA)
観測日時: 2013年1月12日、2013年1月17日

最新情報を受け取る

人工衛星が捉えた最新観測画像や、最新の研究開発成果など、
JAXA第一宇宙技術部門の最新情報はSNSでも発信しています。