JAXA地球観測研究センターは、雲エアロゾル放射ミッション(EarthCARE)サイエンスチーム(九州大学、国立環境研究所、東海大学等)が開発したアルゴリズムを用いて、複数の衛星データ(A-Train軌道を飛行しているCloudSat/CPR、CALIPSO/CALIOP、Aqua/MODIS等)から得られた雲やエアロゾル(大気中に存在するほこりやちりなどの微粒子)などの地球物理量データについて、表示システムとFTP経由でのデータの配布を開始しました。本システムより、2006年~2014年の期間のデータが利用可能となりました。
地球温暖化に代表される気候変動予測に利用される数値気候モデルにおいて、雲過程の扱いには不確定要素が多いことが気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書(AR5)においても指摘されています。本プロダクトと数値気候モデルの計算結果を比較・検証することで、数値モデルの問題点をより明確にし、それにより気候変動予測の精度向上への貢献が期待できます。
EarthCARE研究A-Trainプロダクト
http://www.eorc.jaxa.jp/EARTHCARE/research_product/ecare_monitor.html
EarthCARE(Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer)は、日本と欧州が協力して開発を進める地球観測衛星です。搭載する4つのセンサ(雲プロファイリングレーダ、大気ライダ、多波長イメージャおよび広帯域放射収支計)により、雲、エアロゾルの全地球的な観測を行い、気候変動予測の精度向上に貢献します。打上げは平成31年度を予定していますが、EarthCARE打上げ前に、A-Trainデータを利用したアルゴリズム開発成果の最大化、JAXA EarthCAREプロダクト提供準備を目的として公開しています。
関連情報
雲エアロゾル放射ミッション(EarthCARE):