利用研究

2016.07.19(火)

「衛星による緊急被災図作成(SEM)の世界的動向」のサイエンス誌への掲載について

 JAXAが共著者に加わった「衛星による緊急被災図作成(SEM)の世界的動向」が7月15日(日本時間)にサイエンス誌(Special Issue Natural Hazards: 15 July 2016 Volume 353 Issue 6296)に掲載されました。 SEMとは、(1)発災後、ユーザなどからの要求により、地球観測衛星を用いて被災地域を緊急観測し前処理された衛星画像を作成、(2)衛星画像を解析し災害情報(被災域など)を抽出、(3)地理情報を付加し被災図としてユーザに提供(同時にウェブサイトなどで公開)する一連の活動を指します。 2000年にSEMの活動が本格的に開始されてから16年が経過しました。本論文は、2000年から2014年にかけての15年間のSEMの世界的な傾向を、大規模災害の状況把握に衛星が使われた1000件以上の事例を分析することにより総合的にレビューしたものです。

2000-2014年にSEM活動の対象なった災害の世界分布(DLR 提供)
暖色が密度の高いことを示し、アジア及びヨーロッパに強い集積が見られる。

JAXAはこれまで、国際災害チャータやセンチネルアジアの枠組みを通して、SEMの活動に貢献してきました。本論文においては、JAXAは主にセンチネルアジア関係の執筆を担当しています。
サイエンス誌:http://science.sciencemag.org/content/353/6296/247
       http://www.sciencemag.org/topic/natural-hazards

 また、本件に関して、筆頭著者のドイツ航空宇宙センター(DLR)がプレスリリースを発表しています。
【DLRプレスリリース(外部サイト)】
http://www.dlr.de/dlr/presse/desktopdefault.aspx/tabid-10172/213_read-18680/#/gallery/23735
【DLRプレスリリース翻訳(仮訳)】
translation.pdf

観測事例

 国際災害チャータ
 国際災害チャータは、全世界を対象に2000年からSEM活動を行っており、JAXAは2005年にALOSで加入し、現在、ALOS-2が参加している。
「だいち2号」によるカナダの森林火災の観測
「だいち2号」による米国ミシシッピ川洪水の観測

 センチネルアジア
 センチネルアジアは、アジア太平洋域の災害管理に資するため、地球観測衛星画像などの災害関連情報をインターネット上(https://sentinel.tksc.jaxa.jp/)で共有・提供する活動です。2006年2月に共同プロジェクトチーム(JPT)が編成され活動を開始した。JAXAを含むアジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)加盟の宇宙機関を中心に、アジアの防災機関、国際機関など101機関(2016年6月現在)が参加している。

 「だいち2号」によるスリランカ洪水の観測
 2016年5月12日以降から降り続いた豪雨の影響により、コロンボなどを含む22地域で発生した洪水と地滑りにより、約34万人が被災しました。JAXAは、国際水管理研究所(IWMI)からの要請により、「だいち2号」による緊急観測を行い、取得データと解析結果をスリランカ治安部隊や関係機関に提供しました。解析結果は現地の救助活動のために使われました。

ガンパハの浸水域
水色部分が「だいち2号」によって識別された
豪雨による水没箇所
アラナヤックで発生した地滑り
赤枠部分が「だいち2号」によって観測された
地滑り箇所

最新情報を受け取る

人工衛星が捉えた最新観測画像や、最新の研究開発成果など、
JAXA第一宇宙技術部門の最新情報はSNSでも発信しています。