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2011.02.23(水)
神戸と淡路を結ぶ世界最長の吊り橋
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図1は、ALOS(だいち)が2009年4月に撮影した大阪湾とその周辺の画像です。大阪湾は、南は友ケ島水道から太平洋と、西は明石海峡から播磨灘とつながっており、北東の青灰色の陸の部分は大阪と神戸です。また湾の西側には淡路島があります。
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図2は明石海峡の拡大図です。明石海峡は淡路島と明石市の間にある海峡で、最狭部の幅が3.6kmと狭く、最深部の深さは約100mに達します。大潮(潮の干満の差が大きい状態のこと)のときには最大で7ノット(約13km/h)を超える強い流れが生じます。うす青色に見える、左の画像の渦模様や右上の画像の縞模様から、海峡の流れが分かります。
ここに全長は3,911 m、中央支間長(塔と塔の距離)は1,991 mとなる現在世界最長の吊り橋、明石海峡大橋が架けられています。主塔の高さは約300mあり、国内では東京スカイツリー(完成時は634 m)、東京タワー(333m)に次ぐ高さの構造物です。図2右下の画像は明石海峡大橋を上空から見ているため直線に見えますが、右上の画像は西側から斜めに見ているため、吊り橋の形が見えています。
1メートルのびた全長と支間長
明石海峡大橋は建設当初、全長は3,910 m、中央支間長は1,990mでした。しかし、メインケーブルの架設を終えた段階の1995年1月17日、阪神・淡路大震災で地盤がずれ、全長と支間長は1メートル伸びることとなりました。建設に使われた材料は、コンクリートが約140万m3、鋼材(主塔、ケーブル、橋桁に使われました)が約20万トンにも及びました。
子午線のまち・明石
日本では、世界時と9時間差のある時刻を日本標準時として採用しています。これは、東経135度の子午線上での時刻です。この子午線は明石市を含む12市を通っていますが、明石市は1910年に日本で最初に標識を建てたことから「子午線のまち」といわれています。子午線上に造られた明石天文科学館は明石のシンボルとして親しまれています。
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早くに開けた淡路島
図3は淡路島北部の拡大図です。淡路島北端の海岸一帯を「松帆(まつほ)の浦」といい、万葉の時代から数々の歌に詠まれた名所です。その2kmほど南東側、岩屋港の中に小島があります。絵島という、古くから景勝地として知られる島で、「枕草子」や「平家物語」にも登場しています。
図の中央、島の西岸付近に北淡震災記念公園と野島断層保存館があります。1995(平成7)年に起きた阪神・淡路大震災の震源地で、地震で現れた野島断層(国指定天然記念物)を、ありのままに保存・展示しています。
参照サイト
観測画像について
観測衛星: | 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS) |
観測センサ: | 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)及び パンクロマチック立体視センサ(PRISM) |
観測日時: |
2009年4月19日10時52分頃(日本時間)(AVNIR-2、PRISM同時観測) 2006年8月13日11時11分頃(日本時間)(AVNIR-2)(図2右上) |
地上分解能: | 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM) |
地図投影法: | UTM(ユニバーサル横メルカトール) |
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図2、3は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。
濃緑: | 森林 |
明るい緑: | 草地 |
茶色: | 裸地 |
青: | 水域 |
白: | 道路、建物、雲 |
(図2)
PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。図2はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。