世界各地で自然災害が増加傾向であり国際社会の重要課題の一つです。2020年の国連の報告では、世界全体では2000年から2019年に7348件の大規模な自然災害が発生し、123万人が死亡。42億人が影響を受け、経済損失額は約3兆億ドルに達しました。また、こうした災害の被害の多くはアジア域で発生し被害も多くなっています。こうした発災後の迅速な対応だけではなく、これからは防災のためのリスク評価や復興のためのモニタリングなどに地球観測衛星データの活用の期待が大きくなっています。 JAXAは、大規模災害発生時に、地球観測衛星データの提供等を通じて、災害の把握、復興および事後処理等に貢献することを目的とした国際協力プロジェクトである「センチネルアジア」を主導し、また「国際災害チャータ」に参画しています。これらの活動の実施により、「仙台防災枠組」が掲げる優先行動及びターゲットに貢献しています。
仙台防災枠組みとは:
2015年3月、第3回国連防災世界会議が開催され、新たな国際的な防災の取組指針である「仙台防災枠組2015-2030」及び同枠組推進の決意を表明した「仙台宣言」が採択されました。
「仙台防災枠組2015-2030」では4つの優先行動と7つのターゲットが示されています。
(赤字部分:JAXAが貢献している箇所)
【4つの優先行動】
1.災害リスクの理解
2.災害リスク管理のための災害リスクガバナンスの強化
3.レジリエンスのための災害リスク軽減への投資
4.効果的な対応のための災害準備の強化と回復・復旧・復興に向けた「より良い復興」
【7つのターゲット】
1.2030年までに地球規模での災害死者数を実質的に減らす。2005年から2015年までと比べ、2020年から2030年には10万人当たりの死者の減少を目指す。
2.2030年までに地球規模での災害による被害を受ける人々の数を減らす。2005年から2015年までと比べて、2020年から2030年には10万人当たりの被害者数の減少を目指す。
3.2030年までに地球規模でのGDP(国内総生産)に関連し、災害を直接の原因とする経済的損失を減らす。
4.2030年までに、保健や教育施設など重要なインフラへ損害や基本的サービスの破壊を、レジリエンス(回復力・強靭性)の開発を通じて、実質的に減らす。
5.2020年までに国レベルおよび地方自治体レベルにおいて、防災戦略を策定する国を実質的に増やす。
6.2030年までに本枠組の実施に向けた国レベルの活動を補完するために、発展途上国への十分で持続可能な支援を通じた国際協力を実質的に強化する。
7.2030年までに人々による多様な災害への早期警戒システムと災害リスク情報および評価の入手やアクセスを実質的に増やす。
リンク:
http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h27/79/special_01.html
センチネルアジア
国際災害チャータ