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陸域

―陸の変化を捉える―

森林監視

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)や陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダ(SAR)は雲や雨を透過して観測できるため、雲の多い熱帯域も含めた全球の森林観測が可能です。JAXAでは、SARで観測された画像をつなぎあわせて一枚のシームレスなモザイク画像を作成し、更にモザイク画像を解析することで森林と非森林を分類した全球森林・非森林マップを作成しています。作成したモザイク画像とともに一般に公開しています。

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PALSAR-2の全球モザイク画像と森林・非森林マップ(2009年、2015年)

地殻変動モニタリング

「だいち」や「だいち2号」に搭載された合成開口レーダ(SAR)を用いることで、地震・火山活動、地すべりなどによる地表面の変位を数cmの精度で面的に可視化することが可能です。JAXAでは干渉SARなどの手法を用いた変位抽出やその高度化研究を行っています。港湾施設や河川堤防などの沈下量の計測も可能であり、インフラ管理の高度化にも応用されています。

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2016年の熊本地震(最大震度7)の地震に伴う地殻変動図
(「だいち2号」に搭載された合成開口レーダPALSAR-2のデータから算出)

土地被覆分類・生態系モニタ

土地被覆分類図は、気候・水文・生態系のシミュレーションや、生物多様性・農林水産業・環境・防災・公衆衛生等の政策立案や国土保全に利用される重要な基盤情報の一つです。

JAXAでは人工衛星で観測されたデータを利用して、地域や国レベルの高解像度の土地被覆分類図を作成しています。大学や研究機関などと連携し、衛星データの高次補正、機械学習による分類アルゴリズムの開発、検証のためのデータベースの整備に取り組んでいます。

今後は、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)や、先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)、先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)のデータも活用した高精度化に向けて、研究開発を進めていく予定です。

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ベトナム中部を対象とした高解像度土地被覆図

 

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