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海洋領域

―海洋環境を把握する―

海洋環境、海氷、海色の観測を行っています。また、それらのデータを利用するための研究を行っています。

海洋環境監視

海洋は地球表面の約7割を占めていることから、水産・海運・海洋資源管理などの面で私たちの生活に深く関わっています。また、大気の循環を含めた熱や水の循環といった地球規模の気候変動にも、海洋は極めて大きな役割を果たしています。地球上の広大な面積を占めている海洋の観測には衛星による観測が不可欠であり、得られたデータは気象・水産などの幅広い分野で活用されています。

JAXAでは、水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)のマイクロ波放射計などを用いて、海面水温や海上風速など、海洋環境に関連するデータを観測し、関係機関へデータ提供しています。

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エルニーニョ(上段:GCOM-W/AMSR2による2015年11月16-20日の5日平均)とラニーニャ(下段:Aqua/AMSR-Eによる2007年11月16-20日の5日平均)時の海面水温の平年値からの偏差。マイクロ波放射計は雲を透過して海面の状況を観測可能なことから、高頻度かつ広範囲の海洋環境監視に適しています。

海氷モニタリング

北極や南極を覆う海氷は、地球温暖化の進行度を計るための指標として用いられています。地球温暖化に伴う海氷縮小により、北極海では船舶による物資輸送の時間・コストを短縮・節約できる航路が注目を集めています。

JAXAでは、「しずく」(GCOM-W)のマイクロ波放射計や、「しきさい」(GCOM-C)の光学センサを用いて海氷を観測しています。陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)などのALOSシリーズ衛星に搭載されている合成開口レーダ(SAR)を用いた高解像度の海氷観測も行っています。

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北極海の海氷面積の年間最小値(9月)と7月の最小面積の年変化 ©JAXA

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「しずく」の観測データによる2018年9月21日の北極海氷の様子

海色モニタリング

海の色は、海水中の植物プランクトンに含まれるクロロフィルa等の光合成色素の量や種類、特に沿岸では陸から供給される有機物や土壌粒子などの懸濁物質の量によって変化します。衛星で海色を観測することによって、全球規模の植物プランクトンの分布と変動、沿岸での懸濁物質の流れを把握することができます。植物プランクトンは光合成を通じた炭素固定や海洋生態系における一次生産者としての役割を担っており、気候変動やそれに伴う海洋生態系の変動監視、水産資源の分布や変動予測研究等への応用が期待されています。

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「しきさい」で観測された2019年4月16日の日本周辺のクロロフィルa濃度画像。
北海道沿岸から東北沖において植物プランクトンの増加(春季ブルーム)が生じている様子がわかります。

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