メインビジュアル

地球観測に関する政府間会合

(Group on Earth Observations)

地球観測は世界各国で多くの取組みがあります。また、各国の取組みは、地球観測衛星に限らず、地上の測定器や航空機や船舶などによる観測など多種多様であり、そのデータも千差万別です。気候変動や防災に対しては、これまで以上にこうした多種多様の観測データを組み合わせ、地球の環境の変化に対する観測体制を強化し、人類の生命と財産を守ることが急務となっています。
JAXAは、日本政府を支援し、地球観測に関する唯一の国際的な枠組である「地球観測に関する政府間会合(GEO)」(1984年設立)に参画しています。JAXAは、GEOを通じて、地球観測衛星による地球規模の森林や農業、温室効果ガス観測の科学的根拠となるデータを共有することで、国連や各国の政府の気候変動や防災などの政策決定に貢献しています。また、地球観測によって持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援するイニシアティブ(取組)を主導しています。さらに、GEOが掲げるデータ共有原則に応じて、地球観測衛星のデータの無償公開を進めています。
このような国際枠組みに参画することにより、各国の関係機関や国際機関と積極的に連携が可能となり、JAXAの地球観測衛星が単独で実施するよりも効果的に、世界の社会課題解決に貢献することを目指しています。

GEOとは:
1994年、日本は「地球観測衛星委員会(CEOS) 」が実施してきた地球観測衛星計画の国際協力活動を衛星だけではなく他の観測活動にも広げ、各国の協力で全球地球観測システム(Global Earth Observing System)を構築することを提案しました。この日本の提案を受けて、CEOSにおいて「統合地球観測戦略(IGOS:Integrated Global Observing Strategy)
」の策定が行われる中、世界中で地球環境問題に対する意識が高まり、2003年に開催されたG8エビアンサミットにおいて全球的な地球観測の重要性が確認され、3回の地球観測サミット開催を経て、GEOが2005年に設立されました。
GEOは、衛星、地上、海洋観測等の地球観測や情報システムを統合し、地球全体を対象とする包括的かつ持続的な複数システムからなる「全球地球観測システム(GEOSS)」の構築を推進している政府間の組織であり、2021年7月現在、113か国、及び国連組織や研究機関、民間企業など134機関以上が参加しています。各国の包括的、持続的な複数の地球観測システムからなる地球観測システムを発展させ、人類の利益のための意思決定や行動が、調整された、包括的かつ持続的な地球観測及び情報に基づいて行われることを目指しています。

2016年からは、「GEO戦略計画2016-2025」に基づき、各国が衛星、海洋、地上観測から得られたデータやそれらのデータを活用した予測結果等を共有し、①生物多様性・生態系、②災害、③エネルギー・鉱物資源、④食料安全保障・農業、⑤インフラ・交通、⑥公衆衛生、⑦都市開発、⑧水資源の8つの社会利益分野やこれらに横断的な気候変動において、政策決定に貢献するGEOSSの推進を各国連携の下、進めています。

拡大

リンク:
https://earthobservations.org/index.php

最新情報を受け取る

人工衛星が捉えた最新観測画像や、最新の研究開発成果など、
JAXA第一宇宙技術部門の最新情報はSNSでも発信しています。