JAXA Earth Observation Data Utilization

30th Anniversary

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~地球観測データで未来を切り拓く~

JAXA地球観測データ利用30年記念シンポジウム
〜これまでの歩みと、これからの挑戦〜

2025年10月24日(金)に無事シンポジウムを開催することができました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

これまでの歩み

1978年

10月
宇宙開発事業団 地球観測センター(EOC)開設

1995年

4月
宇宙開発事業団 地球観測システム本部 地球観測データ解析研究センター(EORC)(六本木ファーストビル)設立

2001年

4月
EORCが衛星総合システム本部「地球観測利用研究センター」に名称変更

7月
EORCが晴海トリトンスクエアに事業所移転

2003年

10月
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の発足
EORCが宇宙利用推進本部「地球観測利用推進センター」に名称変更

2006年

5月
EORCが宇宙利用推進本部「地球観測利用研究センター」に名称変更
利用推進部署が独立し「衛星利用推進センター」(SAPC)として設立

10月
EORCがJAXA筑波宇宙センターに事務所移転

2008年

4月
EORCが、宇宙利用ミッション本部「地球観測研究センター」に名称変更

2013年

4月
第一衛星利用ミッション本部「地球観測研究センター」に本部名変更

2015年

4月
衛星部門と輸送部門が合併し、EORCは第一宇宙技術部門「地球観測研究センター」に
SAPCとミッション運用システム推進室(MOSS)が統合し、衛星利用運用センター(SAOC)に

2019年

4月
衛星部門と輸送部門が分離

2024年

2月
H3ロケット運用開始

JAXA地球観測衛星の歴史

JAXAは、気候変動、自然災害、森林破壊、水資源の極端化といった国内および地球規模の課題に対し、衛星を用いた高精度な地球観測によって、科学的な根拠に基づく情報を提供することを目指しています。 これにより、持続可能な社会の実現や国際協力の推進に貢献しています。

より高性能で高信頼な観測を可能とするため、合成開口レーダやマイクロ波放射計、分光計などの先進的な観測技術の開発を進めています。 これにより、次世代の地球観測衛星ミッションが地球環境や災害監視において、より貢献できるよう取り組んでいます。

衛星センサ技術の系譜

JAXAの地球観測は、1978年に設立した地球観測センター(EOC)における、米国NASAの地球観測衛星「Landsat-1」(ランドサット1号)の受信から始まり、1987年には、わが国初の地球観測衛星「もも1号」(MOS-1)の開発・打上げに成功しました。 以降、「ふよう1号」(JERS-1)、TRMM/GPM降水レーダシリーズ、「みどり」(ADEOS)/「みどりII」 (ADEOS-II)とその系譜を継ぐ「しずく」(GCOM-W)/「しきさい」(GCOM-C)、ALOS(だいち)シリーズ、GOSAT(いぶき)シリーズ、「はくりゅう」(EarthCARE)、GOSATとGCOM-W後継の「いぶきGW」(GOSAT-GW)と続き、地球環境の変化を40年以上に渡って捉えてきました。

これらのデータは,1995年に設立された地球観測データ研究センター(現地球観測研究センター、EORC)によって評価、解析研究が行われ、様々な成果を生み出しています。 JAXAが提供するデータや情報は関連する研究機関や利用期間の皆様にも広く認知されており、NASA/NOAA/ESAを始めとする国際パートナーからも高い評価を得ています。

衛星データ利用の拡大

JAXAは地球観測衛星の開発・運用、解析技術の高度化を通じて、防災・減災、気候変動対策、国土強靭化、SDGsの達成等に貢献すると共に、 科学的なエビデンスの提供を通じてIPCCなどの国際コミュニティにも寄与することを目指しています。

JAXAの第5期中長期計画(2025〜2031年)においては、関係機関との連携によって獲得を狙う便益(リターン)を明確化した上で重要テーマを設定し、 衛星観測の継続性確保や安定的なデータ提供体制の構築を進めながら、AI/ML、データプラットフォームなどのデジタル技術も活用し、データ解析技術の高度化、地球観測データの利用拡大と定着を推進します。

解析技術・データ提供の発展

■データ解析技術の発展

日本の地球観測の歴史は、海外のLandsat衛星が「撮像」した地球の様子を可視化することから始まりました。 その後、さまざまなセンサの登場により、観測データだけでなく、物理量に変換してから可視化するような解析技術が発展しました。さらに衛星観測とモデルの融合により、わかりやすい「情報」も提供できるようになりました。

■データ提供の発展

最近30年のインターネットの普及と通信回線の強化により、画像を利用者に届ける方法も印刷からウェブ経由に変わりました。データ公開のユーザインタフェースも、固定のブラウズ画像を表示するウェブサイトから、利用者が画像表示をカスタマイズできるウェブサイトを経て、最近では利用者自身がウェブ上で画像を可視化できるようになってきています。

■データ量の発展

データ量も急速に増加し、それを支える計算機インフラも発展しました。1995年の地球観測研究センター設立時は、大容量テープ装置は30TBで、大容量ハードディスク装置は存在しませんでしたが、2025年現在、大容量ハードディスク装置は14PB以上となっています。

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