2024/04/04:2024年1月までの名古屋港の観測結果と図を更新しました(図1-3)。
2023/03/13:2023年2月までの名古屋港の観測結果と図を更新しました(図1-3)。
2022/02/18:2022年1月までの名古屋港の観測結果と図を更新しました(図1-3)。
2021/03/18:2021年2月までの名古屋港の観測結果と図を更新しました(図1-3)。
2020/12/23:2020年10月前半までの名古屋港の観測結果に図を更新しました(図1-3)。
2020/08/25:2020年8月前半までの名古屋港の観測結果を追加しました(図1-3)。
2020/07/20:観測結果を追加しました。
2020/06/25:記事を公開しました。
合成開口レーダ(SAR)を用いると、地表面を昼夜ならびに天候を問わずに観測することができます。 JAXAのALOS-2搭載のL-band SARであるPALSAR-2と欧州のセンチネル1搭載のC-band SARを組み合わせることで、港の貨物埠頭におけるコンテナ、車などの状況の変化を観測しました。 ここでは、日本での輸出入の量の多い、愛知県の名古屋港、三河港(豊橋港)の貨物埠頭における新型コロナウイルス感染症流行前後のコンテナ、車などの変化を示します。
名古屋港は1907年の開港以来、貿易のための重要性が継続的に増しています。名古屋港での貨物の取扱量は、2018年に197百万トンであり、日本一となっています。 それに加えて、名古屋港の自動車の輸出は、完成車が約1.4百万台であり、こちらも日本一です。
JAXAでは、陸域観測技術衛星2号(ALOS-2:だいち2号)による2019年11月末から2020年6月の観測データを用いて、新宝町コンテナ埠頭におけるコンテナおよび車の駐車の変化を調べました。 この結果、新型コロナウイルス感染症の流行期間において、コンテナおよび車の量が減少していることが観測されました。
図1-1は、新宝町埠頭付近のALOS-2による2019年11月と2020年5月のデータを疑似カラー表示したものです。赤色が2020年5月、青色が2019年11月のみに対象物が存在した場所を示しています。 コンテナの並んでいるところは、青色が多い、すなわち、2019年11月にはコンテナがあった場所に2020年5月にはコンテナが存在していないことを示しています。
また、図1-2は、ALOS-2による名古屋港の観測データを時系列で並べてアニメーションにしたものです。白く見えるコンテナ・車などの量の変化がわかります。
図1-3は、2019年11月末から2023年2月までのALOS-2とSentinel-1の画像における自動車およびコンテナの密度を示したものです。2020年4月頃に解析値の低下を確認して以降、2020年から2021年は上昇と下降が何度かみられました。2022年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う半導体需給の逼迫の影響を受け、ほぼ横ばいであったが、2023年はその反動により年間をとおして前年実績越えがみられました。解析値の増減と社会情勢や自動車輸出実績等と比較してみると、解析値の減少時期が緊急事態宣言期間、自動車生産の部品供給不足などによる生産調整時期に重なるところが多く、その影響があったことが推測されます。2023年は新型コロナウイルスの影響による需要減少からの完全な回復が確認されました。
図2-1はALOS-2の2020年1月と5月の観測データから作成した三河港(豊橋港)神野ふ頭付近の疑似カラー画像です。 また、当該期間の時間的な変化のグラフを図2-2に示します。豊橋港の車・コンテナの総量は、大きな変化がないように見受けられます。
ダウンロード用のデータについては研究データ等の利用条件が適用されます。