2025.07.07イベント
【発表資料掲載しました】CONSEOインフラDX勉強会―国土強靭化を支える衛星データ駆動型スマートシティ

わが国では高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が急速に進行しており、こうした状況を打開するため、国土交通省が策定した「インフラ長寿命化基本計画」(平成25年)(*1)では、予防保全型メンテナンスへの移行が求められています。また、令和7年6月に策定された「第一次国土強靭化実施中期計画」(*2)では、AIやドローン、衛星観測などの新技術を活用し、早期かつ確実な点検・診断を進めることが示されており、インフラ管理のDX化は喫緊の課題となっています。
こうした技術の中でも、衛星地球観測は広域かつ高頻度でのモニタリングが可能な手段として注目されており、2025年4月に定常観測を開始したALOS-4(だいち4号)によって、LバンドSARによる観測頻度が飛躍的に向上しました。さらに、民間企業によるXバンドSARや高分解能光学衛星のコンステレーション整備も進んでおり、今後の利活用の幅は大きく広がる見込みです。
一方、構造物の種類や管理主体が多岐にわたるインフラ分野において、インフラDXの社会実装には、技術だけでなく、現場の課題を踏まえた具体的な成功事例の積み重ねや、ステークホルダーとの共創体制づくりが不可欠です。
本勉強会では、インフラDX分野における衛星地球観測の最新動向や活用事例を共有するとともに、CONSEO会員間での議論を通じて、今後の社会実装への道筋をともに考えます。現場での課題を抱える方、新しいソリューションの展開などを模索する方、産学官から幅広い関係者のご参加をお待ちしております。
(*1) 「インフラ長寿命化基本計画」(平成25年)国土交通省
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/sosei_point_mn_000010.html
(*2) 「第一次国土強靭化実施中期計画」(令和7年)内閣官房
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/dai1_chuukikeikaku/index.html
開催概要
- ・日時:8月27日(水)10:00~12:00 受付時間(9:30)
-
・開催形式:ハイブリッド会議
◆ 会場:X-NIHONBASHI Tower
(東京都中央区日本橋室町2-1-1日本橋三井タワー7階)
◆ オンライン配信:Microsoft Teams
- ・参加費:無料
- ・主催:CONSEO
- ・参加条件:CONSEO会員のみ
プログラム※敬称略
【インプットセッション】
-
・10:00~10:05 開会挨拶
インフラDXの社会実装のために
大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 貝戸 清之 -
・10:05~10:15 基調講演
インフラDX・国土強靱化分野における衛星データ利用拡大の必要性と期待
内閣府宇宙開発戦略推進事務局 参事官(重要課題担当)
(国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 河川環境評価分析官 との併任)
吉田 邦伸
-
・10:15~10:25 インフラDX×衛星地球観測 ―ユースケースとCONSEOの取組紹介 ―
CONSEO事務局 / JAXA 第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター 青出木 悠人
【会員からの発表】
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・10:25~10:35 JAXAによるインフラDXに関する取り組み
JAXA 第一宇宙技術部門 地球観測研究センター 本岡 毅
- ・10:35~11:30 事例紹介(6社 × 各10分)
【ディスカッション】
- ・11:30~12:00 参加者全体での討議セッション
※基調講演や登壇者の情報については確定次第、CONSEO Webサイト・会員メルマガ等でご案内いたします。
事例紹介※敬称略
①株式会社パスコ
[発表者] 衛星事業部事業推進部 座間 創
[タイトル] 株式会社パスコにおけるインフラDXへの取組み
── 衛星による変動モニタリング(地下工事及び埋立地の変動監視)・山間部の地盤変動モニタリング(土砂災害の兆候)
[企業HP] https://www.pasco.co.jp/
②株式会社Synspective
[発表者] Public & Enterprise Unit, Business dept 小澤 剛
[タイトル] Application of SAR satellite data in planning and monitoring infrastructure projects
[企業HP] https://synspective.com/jp/
③衛星データサービス企画株式会社
[発表者] 技術部 金子 明生
[タイトル] 衛星データの平時における道路管理への適用及び災害時の交通支障情報提供の取り組み
[企業HP] https://www.sd-services.co.jp/
④株式会社スペースシフト
[発表者] 事業開発部 永作 俊
[タイトル] 衛星データと AIを用いた都市インフラや災害等検知技術の開発
[企業HP] https://www.spcsft.com/
⑤株式会社天地人
[発表者] COO兼漏水事業統括/執行役員 樋口 宣人
[タイトル] 自治体向けインフラサービス 水道管路の漏水リスク管理業務システム「天地人コンパス 宇宙水道局」
[企業HP] https://tenchijin.co.jp/?hl=ja
⑥日本電気株式会社 (NEC Corporation)
[発表者] エアロスペースソリューション統括部 シニアプロフェッショナル 石井 孝和
[タイトル] NEC地球観測衛星画像解析PFによる広域変位の面的・定量的把握~インフラ予防保全の迅速化・低コスト化~
[企業HP] https://jpn.nec.com/
プロフィール情報
開会挨拶
大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 貝戸 清之
プロフィール

プロフィール・略歴
2000年東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻修了,博士(工学).2001年コロンビア大学客員研究員,2002年民間コンサルタント主任研究員を経て,2007年大阪大学特任講師,2011年准教授,2024年より現職.専門は,インフラ老朽化問題全般.特に,点検データを用いた統計的劣化予測と,それを科学的根拠とするインフラマネジメント分野におけるEBPM.橋梁の振動モニタリングと制御,および振動特性の同定にも従事.現在,SIP第3期「スマートインフラマネジメントシステムの構築」サブ課題e2「EBPMによる地域インフラ群マネジメント構築に関する技術」研究開発責任者.
基調講演
内閣府宇宙開発戦略推進事務局 参事官(重要課題担当)
(国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 河川環境評価分析官 との併任)
吉田 邦伸
プロフィール

プロフィール・略歴
鹿児島県生まれ、幼い頃から星好きで、20cm反射赤道儀、8cm双眼鏡、4.2cm双眼鏡などで星雲・星団巡りをするのが好き。
北の大地に憧れ北海道大学大学院工学院衛生工学専攻(衛星ではなく環境の方)で学んだ(鹿児島と北海道の北極星の高さの違いに驚く)。
国土交通省では防災(水管理・国土保全局 防災課 緊急災害対策企画調整官・災害対策室長)・河川分野を軸に砂防・道路・港湾・国土計画分野を経験。
衛星データ利活用関係では10年ほど前からJAXAと連携し、地震・水災害に対するALOS2/4・民間衛星コンステレーション等の活用・体制構築に携わっている。
令和5年5月から内閣府宇宙開発戦略推進事務局に併任し、「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース大臣会合」等を通じた関係省庁でのリモートセンシング衛星データ利用の推進や、「スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)」等を通じた宇宙ビジネスの観点からの地域振興等を担当している。
JAXAによるインフラDXに関する取り組み
JAXA 第一宇宙技術部門 地球観測研究センター 本岡 毅
プロフィール

プロフィール・略歴
2009年筑波大学生命環境科学研究科で博士取得(環境学)。その後宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社し、陸域観測技術衛星(だいち)シリーズのデータ解析手法研究や校正検証に従事。先進レーダ衛星(だいち4号)プロジェクトの立上げにも携わり、2016年よりプロジェクトチームにて合成開口レーダの開発および運用を担当。2025年4月より現職。
事例紹介
株式会社パスコ 衛星事業部事業推進部 座間 創
プロフィール

プロフィール・略歴
株式会社パスコ衛星事業部事業推進部部長。
現在、衛星データの利活用と付加価値サービスの国内外展開を担当。
1997年に株式会社パスコに入社し、測量・地図作成、地理空間情報提供サービスのマーケティング・営業活動に従事。また国際プロジェクトの開発にも携わり、ブラジルでの駐在も経験。
株式会社Synspective Public & Enterprise Unit, Business dept 小澤 剛
プロフィール

プロフィール・略歴
中央大学大学院 理工学研究科 土木工学専攻修士課程修了。
2006年㈱建設技術研究所に入社。水防災関連計画の策定、洪水予測システムの開発等に従事。
2009年土木研究所水災害リスクマネジメント国際センター(ICHARM)に出向。衛星観測雨量データGSMaPを用いた洪水予測システムの開発に従事。
2011年㈱建設技術研究所に帰任し、国内水防災関連コンサルティングのほか、日本の水防災関連技術の海外展開や洪水予測システムの海外展開に従事。
2025年㈱Synspectiveに入社。現在、日本国内およびJICA, ADB等の日系ファンド含むビジネス(安全保障案件を除く)の責任者:Manager of Public and enterprise unit。
衛星データサービス企画株式会社 技術部 金子 明生
プロフィール

プロフィール・略歴
アラスカ大学にてGIS・リモートセンシングを専攻。
卒業後、2020年日本工営に入社。衛星情報サービスセンターに所属し、
衛星データを活用した災害状況把握やインフラモニタリングに関わる検討業務・実証に複数従事。
2024年衛星データサービス企画に出向。災害・インフラ管理への衛星データ活用の知見を活かし、
SBIR事業等において、衛星データの社会実装に向けた活動に取り組む
株式会社スペースシフト 事業開発部 永作 俊
プロフィール

プロフィール・略歴
木更津工業高等専門学校 専攻科 修了(環境建設工学専攻)。
東京大学大学院 工学系研究科 修士課程(社会基盤学専攻)修了。
2021年、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社に入社し、化学事業会社や発電事業会社向けシステムの要件定義等を担当。
2023年から現職。
株式会社天地人 COO兼漏水事業統括/執行役員 樋口 宣人
プロフィール

プロフィール・略歴
1990年、(株)三菱総合研究所に入社。OR、ロジスティクスおよび意思決定分析が専門。防衛、運輸、郵政など省庁における政策立案、並びに民間企業の戦略策定等のコンサルティングに従事。
2000年、ケンコーコム(株)を共同創業。常務取締役COOとしてヘルスケア領域のEC事業を牽引。
2015年、スタートアップ企業の経営強化に注力。国内上場企業のCEO、事業開発統括、並びに米国企業の日本法人代表等を歴任。
2024年7月、天地人に参画。
日本電気株式会社 (NEC Corporation) エアロスペースソリューション統括部 シニアプロフェッショナル 石井 孝和
プロフィール

プロフィール・略歴
早稲田大学理工学部では物理探査工学を専攻し、1989年にNEC入社。
NECでは、衛星搭載LD励起個体レーザ、環境観測用LIDAR、月周回衛星かぐや搭載レーザ高度計、AHS道路状況把握システム(可視、赤外、ミリ波センサフュージョン)等のリモートセンシングシステム開発を経て、2013年より衛星搭載合成開口レーダ(SAR)のデータ解析による広域モニタリング事業の責任者として現在に至る。
事例発表の公募について
※7/22追記:本公募は締め切らせていただきました。ご応募、誠にありがとうございました。
インフラDXに関する事例紹介(10分)の発表枠を公募します。発表希望の方は、7月18日(金)17:00までに、以下の内容を明記のうえ、事務局宛にメールでお申し込みください。
- ・発表者(社名・部署名・氏名)
- ・発表タイトル(後日の変更可)
- ・発表内容(対象とする構造物や提供する技術・手法について明記すること)
- ・上記に関する実績がわかる参考資料など
- ※応募多数の場合、CONSEO事務局にて発表者を選定いたします。
▼参加申込・お問い合わせ
【申込フォーム】:https://forms.office.com/r/nxvmevcdS0
【問合せ先】CONSEO事務局: z-conseo@ml.jaxa.jp
・会員登録には幹事会での承認が必要となるため、スケジュール上、締切を以下の通り分けて設定いたします。
CONSEO会員:8月26日(火) 15時まで
CONSEO非会員:7月31日(木) 17時まで