2023.11.17活動報告

世界最大のスマートシティイベント SMART CITY EXPO WORLDCONGRESSにCONSEOがブース出展!

2023年11月7日(火)~11月9日(木)にスペイン・バルセロナで開催されたSMART CITY EXPO WORLDCONGRESS 2023にCONSEOとして初めて参加&ブース出展しました。

会場の“Firade Barcelona Gran Via”正門

巨大なホールを2ホール貸し切って開催

SMART CITY EXPO WORLD CONGRESS (SCEWC)は、都市イノベーションに関する世界最大かつ最も影響力のあるイベントです。同イベントは、世界140か国以上から参加者が集まります。今回の2023年開催も、主催者の発表によると140か国、800以上の都市から25,300人が来場しました。

イベントでは、一般社団法人 スマートシティ・インスティテュート (SCI) 様が、岸田内閣の下で始動した「デジタル田園都市国家構想」を体現する、人間中心主義、住民参加型・産官学民共生モデルで、地域のWell Beingを目指す政策・取り組み・先進事例を世界に発信することを目指し、日本パビリオンを会場に設置しました。

日本パビリオン集合写真

CONSEOブース(事務局・村木)

CONSEOは、SCEWC及び日本パビリオンに初めてとなるブース出展を行い、衛星地球観測が地球規模の課題解決やDX(デジタル・トランスフォーメーション)・GX(グリーン・トランスフォーメーション)に不可欠な情報を提供し、「見通せる」社会の実現するビジョンと、会員の皆さんが提供するスマートシティ分野のソリューションについて参加者にアピールするとともに、スマートシティ分野の国内外の出展者との交流を行い、人的ネットワークを構築し、CONSEOの提言検討に資するべく、都市イノベーションの現状や最先端の取組について視察・情報収集を行いました。

日本パビリオンでのCONSEO紹介プレゼン

他パビリオンへの視察ツアーにも参加

その他の視察ツアーとして、バルセロナ市庁舎への訪問もSCI様に手配いただいており、市の職員から、バルセロナ市の国際人材確保に関する取組や、CO2削減に関する取組に関する市の職員の講演を聴講する機会を得ました。

SCEWC会場の各国の展示ブースで特によく目にしたテーマとして、CONSEOでも勉強会を開催し、国交省のPLATEAUも大きな注目を集める「デジタルツイン」があり、各国から様々な取組が展示されていました。

今回展示されていた様々なデジタルツインは、センシング等により都市の様々な情報を可視化するものが多くみられましたが、中にはある地域に住宅を増やすことにより、周辺の大気汚染や交通渋滞がおこることについての複数の将来シナリオを解析できるような、シナリオ検討の機能を持つデジタルツインも紹介されており、CONSEO事務局スタッフは実際に触れて体験することができました。

またこれらのデジタルツインに主な利用用途は、自治体の災害対策や環境整備、市民サービス向上を検討する際の判断支援(Decision Make Support)が主とされていることも、共通点でした。

各国のデジタルツインが集結したDELL/NVIDIAブース

20都市以上で導入実証が進むイタリアのSNAP 4 CITY

都市インフラ整備や地質調査、エネルギー管理等のインフラ関係を中心としたデジタルツインを提供するBentley社

その他の分野の展示では、AIやIoTデバイスを活用した取り組みが多く、電柱に設置したカメラ映像をAIで解析し犯罪予兆を検知、また歩行者の飛び出しを検知し付近の走行車に情報を送信し自動ブレーキを作動させるソリューションや、地下鉄の冷暖房システムからデータを収集し換気システムの最適化、温度・Co2レベルの測定を行い車内環境の改善及びエネルギー管理を担うソリューションなど、都市の安全・快適を支援するサービス・ソリューションが多く展示されていました。これら進化するIoTデバイスと衛星地球観測の融合は今後可能性のある領域と感じました。

他方で、SCEWCで展示されていた各サービスやソリューション、デバイスの多くは、実証導入などの検証段階であることが多く、今後の普及が待たれているのが現状であることが強く印象に残りました。

また、衛星地球観測に関連した展示としては、USAパビリオンでNASAがブースを設け、ドローンや衛星データによるスマートシティの貢献について紹介していました。ラングレー宇宙センターのStrategic Partnershipに関する部局が出展しており、今年初めての展示でスマートシティ分野での利用機関等とのパートナーシップを模索しているとのことでした。また、欧州が先導するオープンソースな都市OSであるFIWAREのブースでは、FIWAREと衛星地球観測データを用いた緑地解析などの取り組み「Spotted (Satellite Open Data for Smart City Services Development)(参考:https://cef-spotted.eu/)」に関する展示が行われていました。

CONSEO事務局の所感として、CONSEO会員が現在提供、または開発しているサービスやソリューションは、世界的に見ても先端的なものが多いと感じました。またそれらのサービスやソリューションを用いて実施した実証の結果は、世界から高い関心を集めると思料します。特に、同じくエンドユーザーとなる他国の政府・自治体やその他の潜在顧客にとって、実際の実証結果は大変有益な情報であり、それの情報は、今後の連携や提携を検討する重要な判断材料となると考えられます。

あわせて、CONSEOが描く2040年の未来社会像である「見通せる社会」は、都市イノベーション分野と親和性が高く、衛星地球観測を活用したサービス・ソリューションがスマートシティに貢献できる可能性は大きいことを強く実感しました。一方で、衛星地球観測に関するスマートシティコミュニティの認知は低く、ブースへの来訪者も「そのようなソリューションがあるのか」、と驚いている状況でした。今後、さらにスマートシティコミュニティへの認知拡大の取り組みを推進すべきと感じました。

CONSEOが描く2040年の未来社会像をどう実現するか具体的に示し、CONSEO会員が、提供するサービスがどの未来社会像に役立つものであるか紹介することで、スマートシティの更なる発展を衛星地球観測がリードするポテンシャルを持っているとアピール出来ることでしょう。また同時に、潜在顧客の発掘も期待でき、更なる実証機会の獲得などが望まれます。

次年度以降は、CONSEO会員の皆さんと共に、スマートシティ分野における日本の衛星地球観測のポテンシャルを世界に知らしめていきたいと強く思い、スペイン・バルセロナを後にしました。

来年は、2024年11月5日 - 7日に同じ会場で開催予定です

CONSEO会員の皆様、是非来年SMART CITY EXPO WORLD CONGRESSに出展し、日本の衛星地球観測の可能性を共に世界へ発信しましょう!

参考